フォトグラファーとして東京とパリを拠点に活動している著者が、フランス流の暮らし方に接してきた体験をもとに“パリの生活術”を紹介するエッセイ。一見、華やかな生活がイメージされるフランス人のライフスタイルは、実は倹約的で合理的であることがカラー写真と文章で紹介される。

「日用品をストックしない」「食事はワンプレートで」「服を買うより、花を買う」など40のコツを具体的に説明。その結果、家に物があふれることがなく、多くのゴミも出ない。ゴミが出たらキッチンまで捨てに行く。だから各部屋にはゴミ箱を置く必要がないのである。

 日本では「断捨離」という言葉が流行り、「物の捨て方」「整理・収納の仕方」を紹介した雑誌や本が売れているが、そういう風潮自体がパリではありえないことがわかる一冊。

週刊朝日  2017年6月30日号