書評『教養としての「世界史」の読み方』本村凌二著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

教養としての「世界史」の読み方 本村凌二著

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福永奈津美書評#話題の新刊

 古代ローマ史研究者による、教科書では語られない歴史の裏側、エンターテインメント性を凝縮した一冊。

 例えば、イエスが磔になった紀元30年頃はローマの人口のわずか1%に満たなかったキリスト教徒が230年頃に急増したのは、皇帝が乱立し政治不安が広がり人々が宗教に依拠したからである。

 また、著者は世界で同じことが同時に起こる「同時代性」と相互間の有機性に着目。永続的に栄えた漢帝国とローマ帝国は同時期に誕生し、前1千年紀にはギリシア哲学、仏教の釈迦、中国の孔子などの思想家たちがほぼ同時期に誕生している。

 教科書とは逆流する、現在から古代へ向かう思考や因果関係が見えれば、歴史は単なる「過去」から、生きた「教養」へと輝く。それをどう使うかは現代に生きる我々に問われている。

週刊朝日 2017年4月21日号


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