高学歴、高職歴で、有名企業に就職できる実力がありながら、あえてNPO法人を選んだ女性たち。それら“N女”たちを、開高健ノンフィクション賞作家が取材し、現代の職業選択の在り方や女性の働き方を探った一冊。

 高い社会的地位を捨て、給与も少ない不安定な状況をなぜ選ぶのか? 難民支援、新興国への人材派遣、ホームレス支援、若年無業者支援などのNPOや社会的企業で働く10人の姿から働く理由を浮かび上がらせる。

“N女”は決して特別な存在ではない、ただし「行政を当てにしない」「きれいごとを言わない」という潔い精神を感じると著者は言う。貧困や社会的リスクを誰のせいにもしない。知恵を使い、行動を続け、現状に向かっていく。登場した“N女”は誰もが凛とした魅力に満ちている。

週刊朝日 2017年4月14日号