書評『1000人の患者を看取った医師が実践している 傾聴力』大津秀一著 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

1000人の患者を看取った医師が実践している 傾聴力 大津秀一著

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大川恵実#話題の新刊

 もしあなたの大事な人が、何かに悩み、落ち込んでいたら、どう支えますか──。
 終末期の患者を千人以上看取っている緩和医療医である著者は、死を前に悩み苦しむ患者を「傾聴」で支えてきた。
 「傾聴」は苦悩を癒やし、乗り越える手段を提供するという。本書は、主に終末期の患者とのやり取りを事例に、正しい「傾聴」とは何かを綴っていく。
 その人が何に苦しんでいるのかを知り、答えを見つけるまでそばにい続けること。悩んでいる人が、人生に新しい意味を見いだせるように支援することなど、聴き手側の心構えをまず説く。そして、話を聴く際のテクニックは、私たちの日常生活で明日からでも使えそうだ。たとえば、机で話を聴くときは、並んで座るか、対角線上に座る。相手の顔を見ながら話すが、時に視線を外す。優しい顔でしっかり頷きながら話を聴くなど。
 支えることはたやすくない。何よりも、聴き手側の人間性が要求される。しかし人を支えられるのは人だけだ。これからの高齢化社会に「傾聴力」は必須だろう。

週刊朝日 2013年9月20日号


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