●レンズ:ZEISS テッサー T* 7.9mm(35ミリ判換算で24ミリ)F4.0。6群6枚(非球面レンズ6枚)。最短撮影距離:20センチ ●撮像素子:有効約1530万画素。1.0型Exmor RS CMOSセンサー。総画素数:約2100万画素 ●大きさ・重さ:59.0×40.5×35.0ミリ・約132グラム ●価格:オープン(税込実売9万1670円)
●レンズ:ZEISS テッサー T* 7.9mm(35ミリ判換算で24ミリ)F4.0。6群6枚(非球面レンズ6枚)。最短撮影距離:20センチ ●撮像素子:有効約1530万画素。1.0型Exmor RS CMOSセンサー。総画素数:約2100万画素 ●大きさ・重さ:59.0×40.5×35.0ミリ・約132グラム ●価格:オープン(税込実売9万1670円)

 超小型な直方体ボディーに1型センサーを搭載するRX0の新モデルが発売された。35ミリ判換算で24ミリ相当のレンズや有効約1530万画素の1型センサーはそのままに、液晶モニターがチルト可能になったのが一番の違い。そのほか、画像処理エンジンの進化でAF性能が向上していたり、4K動画の内部記録が可能になったりしたほか、最短撮影距離が50センチから20センチになり大幅に寄れるようになった。

【このカメラで撮影した写真はコチラ】

 いわゆるアクションカムではないが、普通のカメラとも異なるカメラで、ユーザーの発想力が試される。「あなたならどう使う?」という開発者からの挑戦状ともいえる。スチルカメラとしては、兄弟機のRX100シリーズのほうが適しているのは当然として、ハマる使い道があるはずと考えた結果、ストリートスナップに使うことにした。どんなカメラやスマートフォンよりも小さい前方投影面積のボディーは文字どおり街に溶け込み、チルトしたモニターの下に指を添えることで安定したホールドが可能だ。実際、スナップにはとても使いやすいカメラになっていると思う。ある意味デジタル時代のミノックスといえるかもしれない。

モニターがチルト式になったため、ウエストレベルファインダー的な使い方で快適にスナップできる。夜なので感度をISO6400に上げたが、思ったより高画質だ ■プログラムAE(絞りf4・500分の1秒)・ISO6400・AWB・JPEG
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モニターがチルト式になったため、ウエストレベルファインダー的な使い方で快適にスナップできる。夜なので感度をISO6400に上げたが、思ったより高画質だ ■プログラムAE(絞りf4・500分の1秒)・ISO6400・AWB・JPEG

■描写性

 ツァイスのテッサー銘が与えられるとおり、高性能なレンズ。1型センサーだが4分の3ほどの面積しか使っていないので、画質はRX100シリーズにかなわないが、必要十分の描写性能。

■使用感・操作感

 モニターは1.5型で画面の文字を読むのにルーペが欲しくなる。開放F4固定だが実焦点距離7.9ミリレンズなので被写界深度は十分。電源ボタンやシャッターボタンは大きい。

■デザイン

先代RX0と同じアルミ削り出しのボディーは蛇腹形状になっていて、デザイン的なアクセントになっている。品位は高く、物欲をそそる。

写真・文=河田一規

アサヒカメラ2019年6月号より抜粋