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 一昔前は9月や10月が運動会のシーズンだったが、春に開催する小・中学校が増えている。温暖化の影響で気温が高まっていることから、秋の運動会では夏の猛暑の時期に練習しなければいけなくなる、子供に健康面で負担がかかることを配慮して、春開催の学校が増えているが、近年は午前中ですべてのプログラムが終了する「半日開催」の運動会も増えているようだ。

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 転機は新型コロナウイルスの感染拡大だった。2020年にコロナ陽性者が首都圏を中心に増え続けると、感染拡大防止のために教育現場でも「新しい生活様式」が奨励された。人と身体的距離をとることで接触を減らすこと、マスクをすること、手洗いをすることが徹底され、給食の時間も同じ方向を向いて私語をせずに食事する「黙食」が日常の風景となった。

 コロナの影響で運動会など学校行事は軒並み中止となり、翌21年以降も教育現場は頭を悩ませる。運動会を朝から夕方まで終日開催する方式だと、マスクをした子供たちが熱中症になる危険性があり、集中力も切れて待ち時間に会話をする時間が長くなることで感染のリスクが高まってしまう。そこで身体的接触があるプログラムを削って、午前中で終了する「半日開催」の運動会が各地で行われるようになった。

 都内の小学校に勤務する40代の男性教諭は、「最初は保護者から反対の声が多かった」と振り返る。

「私が勤務する小学校は21年から運動会が半日開催になりましたが、午前中で終わることに『味気ない』、『物足りない』と反対する親御さんが多かった。でも、実際にやってみると子供は集中して取り組んでくれるし、間延びした感がなくなって盛り上がりました」

 富山市の草島小学校は5月に運動会を開催。コロナ禍に引き続き、今年も半日開催を決断した。教職員たちが話し合い、保護者との意見交換で了承を得たという。山口浩二校長はこう語る。

「半日で開催するメリットはいくつかありますが、最も大きな理由は子供たちの健康面です。コロナ禍で体力が落ちており、5月でも気温が高い日は熱中症の危険性があります。午前中に終わらせることで、体調を崩す健康面のリスクを減らすことができる。もう一点は教職員の負担を減らすことです。運動会の準備、打ち合わせに時間がかかっていたが、種目数を減らすことで軽減できる」

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