自殺教唆、自殺ほう助に該当する場合は、6カ月以上7年以下の懲役または禁錮と定めている。

 猿之助さんが所属する松竹は、この件についてホームページ上で、

「市川猿之助に関しましては、引き続き、お客様をはじめ、関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしておりますことを改めて深くお詫び申し上げます」

「当局等による対応が続いており、弊社としましてはその対応を見守りつつ、慎重に各方面からの情報把握に努めているところでございます」

「事態の解明が途上の中でのコメントや弊社対応の経緯に関するご説明等は差し控えさせていただきたく存じます」

 などとコメントを発表している。

 明治座での「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の公演中に起きた衝撃的な出来事だった。歌舞伎界を背負って立つスターである猿之助さんは、自身のインスタグラムに、

<2023.5.7夜の部にて、宙乗り1400回を迎えました。安全に飛行するために、多くのスタッフさん、お弟子さんの、なかなか見えない支えがあります>

<観に来て下さったお客様に幸せが訪れますようにとの希いをこめて、これからも翔び続けますので、よろしくお願いします>

 などとつづり、動画も添えている。

「これから飛び続けますので」とつづった市川猿之助さんのインスタグラム
「これから飛び続けますので」とつづった市川猿之助さんのインスタグラム

 歌舞伎界の発展に強い信念を持っていたという猿之助さんに何があったのか。事実関係が明らかになるまでには、まだ少し時間がかかりそうだ。

(AERA dot.編集部 今西憲之) 

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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