ヤクルト・村上宗隆
ヤクルト・村上宗隆

「なんて言うんすかね、まあ……久しぶりの感覚というか。あのー、これからもっともっと打てるように頑張ります」

【写真】「想像を絶する」とコーチも酷評 プロ野球史に残る“ザル守備”を見せた選手がこちら

 5月13日の中日戦(神宮)。初回に左中間へ2ラン、8回には右中間へ2ランと、今季初めて1試合で2本のホームランを放ったヤクルト村上宗隆(23歳)は、ヒーローインタビューで笑顔を浮かべながらそう話した。

 昨シーズンは日本選手では歴代最多となる56本塁打を放ち、NPB史上最年少で三冠王を獲得するなど、一躍「時の人」となった。神がかった活躍にかけた「村神様」の呼び名は、新語・流行語大賞の年間大賞に輝いた。

 今年は開幕前に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、侍ジャパンの一員として出場。1次ラウンドでは不振にあえぎ、準々決勝では四番から外されながらも、米国に舞台を移して行われた準決勝でサヨナラ打、アメリカとの決勝戦では同点ホームランと、ここぞというところで存在感を発揮した。

 WBCから帰国後は、オープン戦で調整することなくシーズンに突入。3月31日の広島との開幕戦(神宮)、第1打席で自身初の“開幕アーチ”を放ち、チームの白星発進に大きく貢献する。

 4月2日の開幕第3戦では、同点の8回にライトフェンス直撃の二塁打を打つと、右翼手が打球処理を誤り、焦って悪送球をする間に決勝のホームイン。さらに4月4日の中日戦(バンテリン)で決勝タイムリー、5日の同カードでは決勝の押し出し四球を選んで2安打2打点。開幕5連勝のチームにあって、打率.333(18打数6安打)、1本塁打、5打点と自身も好スタートを切った。

 4月11日のDeNA戦(神宮)では先制の2号2ランがまたしても決勝弾となるが、そこからホームランが途絶える。3、4月を打率.157、2本塁打、12打点という、およそ“らしくない”成績で終え、5月初旬にかけて77打席ノーアーチ。スタートダッシュに成功したはずのチームも、4月27日からは借金生活に転落していた。

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高津監督も「(状態が)上がってきているのかな」