裁判以外にも、木村容疑者が政治家を目指していたと思える別の出来事が、昨年9月にあった。

 木村容疑者は、自身が住む兵庫県川西市内で開かれた自民党系市議の市政報告会に出席していたという。

 そのときの様子について自民党関係者は、

「木村容疑者は、市議に立候補したい、報酬はどれくらいか、など熱心に質問していた。だけど被選挙権は25歳以上なので、もう少し待ってからという話になった」

 と語る。

 なぜ、政治家を目指したかについてはわかっていない。

 一方、小中学校時代の木村容疑者について、近隣住民や同級生らから話を聞いた。

 木村容疑者は、川西市で小学校から現在まで過ごしてきたという。自宅の登記簿などから、幼少のころは近くの公営住宅に住み、その後、戸建て住宅に引っ越してきたことがわかる。

 近隣住民によると、木村容疑者は両親と兄の4人家族で、父は運送関係の仕事をしていたという。

 小中学校の同級生は、

「(木村容疑者は)小学生のときはよくドッジボールをしたり、自転車で走り回ったりして活発に遊んでいましたよ。算数が得意で、授業で私がわからない問題があるとこっそりと教えてくれるいいやつでした。友達も多かったし」

 と話す。しかし、中学に入ってからは状況が変わったようだ。

「中学1年くらいかな、学校でいじめに遭うようになって、しばらく不登校が続きました。それから性格が暗くなってしまい、学校でも何もしゃべらず、どこにいるのかわからないような状態になってました。だけど卒業式にはいたようなので、ずっと不登校ではなかったはずです。地元の高校に受かって通っていたんじゃないかな」

 と同級生が振り返る。

 そして、家族内でも“争い”があったようだ。

「父親は配送の運転手をしていたのですが、自宅に帰ると大声で怒鳴っていることがよくありました。(木村容疑者が)中学生のとき、朝の時間帯に玄関先で制服姿の木村容疑者をこっぴどく叱っていたのを見ました。父親は真っ赤な顔で、すごい勢いで怒鳴りつけて。木村容疑者は泣いていたようで、そこまで朝から怒らなくても、と思いました。別の日には、父親があまりにひどい剣幕で大声を出すので、近所の人が驚いて110番し、パトカーが来ました」

 と近所の人は打ち明ける。

次のページ
爆弾や政治のことなどについて細かく調べている履歴があるようだ