同じく大きな期待をされて中日に移籍したのが後藤だった。3拍子揃った好選手で群馬・前橋商時代は「上州のイチロー」と呼ばれ、2010年のドラフトオリックスから1位指名を受けてプロ入りを果たした。

「足と守備に関しては素晴らしかったが、打力が最後までネックでレギュラーに定着できなかった。駿太本人がオリックスのことが大好きで、野球への向き合い方は素晴らしかった。関係者やファンからは本当に愛されていた。移籍は本当に寂しかったが中日で活躍して欲しい」(オリックス関係者)

 後藤はプロ4年目だった2014年に打率.280、5本塁打、30打点と早い段階で頭角を現し、定位置を確保したかに見えた。だが、その後に伸び悩み、移籍前の2021年シーズンはわずか56試合の出場にとどまっていた。

「バッティングが問題なのは誰の目にも明らか。昨季の中日移籍後は35試合の出場を果たしたが、ほとんどが守備固めと代走だった。中日の外野陣は中堅・大島洋平をはじめ打てる選手が揃っている。今のままでは今シーズン以降も同じような起用方法になってしまいかねない。とにかく打力アップ、正念場です」(中日担当記者)

 投手では、ロッテに移籍した坂本がブルペンで重宝される存在になりそうだ。チームは中継ぎの左腕不足という台所事情もあり、優勝を狙うために欠かせない投手になれる可能性を秘めている。

「球種は多くないが球威があるので、左打者に対して絶対的な力を発揮する。2021年のヤクルト日本一に関しては同じ左腕の田口麗斗が取り上げられるが、坂本の貢献も大きかった。四球で自滅さえしなければ心配することはない。ロッテは目の付け所が良いと評判になった」(ヤクルト担当記者)

 ロッテは2020年の澤村拓一(巨人から加入)、2021年の国吉佑樹(DeNAから加入)と、シーズン途中にトレードで補強した投手が見事なパフォーマンスを披露した。坂本にも同様の活躍が期待されている。

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