【質問4】
本業先から副業先に出勤する途中で事故に遭いました。労災保険は使えますか?使える場合、どちらの会社に申し出ればよいですか?
【蓑田社労士】
使えます。副業先に申し出ましょう。

 本業先から副業先に向かう途中であれば、副業先に申し出て、副業先の労災保険を使う。なぜなら「副業先で働くために移動」していたからだ。ただしこの場合、副業先とは雇用契約でなければならない。

 2020年9月に法改正があり、労災保険として給付額を算定する際には本業先と副業先の賃金を合わせて計算されることになった。以前よりも給付される額は多くなるはずだ。ただ、不幸中の幸いで軽傷で済み、診察のみであとは経過観察となった場合、受診時の自己負担がないなど、単に「お財布からお金が出ていかない」というかたちの給付で終わる場合もある。

【質問5】
副業先に転職します。採用日が11月1日に決まったので、本業の職場と退職日のすり合わせをしています。10月30日での退職はどうかと聞かれたのですが、末日退職ではない場合に気をつけることはありますか?
【蓑田社労士】
社会保険料の支払いに影響します。空白期間に気をつけましょう。

 社会保険は、月末時点でどの制度に加入しているかで判断されるため、月末の1日の違いはとても大きい。末日である「10月31日」に在籍していなければ、会社はあなたの10月分の社会保険料を支払う必要がない。「空白の1日」に関しては、市区町村の窓口であなた自身が手続きをして、国民健康保険と国民年金に加入し、10月分を支払うことになる。これまでは、保険料の半額を会社が支払ってくれていたが、もちろん全額、あなたの負担だ。

 空白期間があるにも関わらず放置していると、年金が少なくなったり、たまたまその日に具合が悪くなっても保険証が使えなかったりするので、要注意だ。

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片方だけ退職したときの失業保険