【質問2】
会社に副業がバレてしまうのは、どんなときですか?
【蓑田社労士】
住民税の額が変わり、かつ、会社の給料から天引きされているときは発覚してしまいます。

 住民税の徴収には2つのパターンがある。会社の給料から天引きして会社が納付する「特別徴収」と、会社を経由せず個人で納付する「普通徴収」だ。「特別徴収」の場合は、副業収入分を確定申告した後に住民税の額が変わると会社に通知され、そこで発覚することがある。

「普通徴収」の場合は個人に通知が来るので、会社に知られることはない。ただ、副業がパートやアルバイトなどの給与所得の場合は特別徴収になるし、自治体によっては、副業収入分から生じる住民税の払い漏れを防ぐために、普通徴収にできないところもある。

【質問3】
副業禁止の会社で、副業が知られてしまいました。就業規則には「懲戒解雇」と書いてあり、その場合、退職金も没収されるようです。どうにもならないでしょうか?
【蓑田社労士】
懲戒解雇や退職金の没収は現実的ではないと思われます。

 ルール違反に対する懲罰が科せられることは、もちろんあり得る。しかし、最も重い懲罰である「懲戒解雇」は現実的とは言えないだろう。懲戒解雇にする場合、会社は、副業の影響で自社にどの程度の損害が生じたのかを示す必要があるが、これはかなり大変だからだ。

 過去の裁判例から、退職金は、これまで継続して働いてくれた「功績」と「賃金の後払い」という2つの顔を持っていると考えられている。よって、退職金に関しても、一部減額されるということはあり得るが、「没収」となるとほぼ無理だろう。仮に会社が没収を強行したとしても、法的な争いに発展すれば没収は無効となる可能性が高い。

次のページ
副業先への出勤途中に事故にあった