世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が入る建物
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が入る建物

 統一地方選が今月下旬から始まる。注目したいのは、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係だ。岸田文雄首相は「関係を断つ」と明言したが、地方議員にもその方針が徹底されているのだろうか。取材を進めると、地域によって温度差があるように見える。

【怪文書?】ある地方県議と旧統一教会の関係を疑うビラはコチラ

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「自民党は国会議員に対しても自己申告ということで、調査はしていない。自治体議員に対してはさらに甘く、人数も公表しない、どの県連がどういう対応をしているかも公表しない」

 2月28日の衆院予算委員会で立憲民主党の西村智奈美議員が、旧統一教会と自民党との関係について指摘した。

 岸田首相は、

「未来にむけて関係を断つということをしっかりと確認する。過去どのような関係があったかについても、それぞれの議員が説明をすることによって、有権者に対して信頼を回復するために努力をする、これがあるべき姿であると認識をしております」

 と答弁している。

 自民党は昨年10月、旧統一教会との関係について茂木敏充幹事長が、

「今後、旧統一教会及び関連団体とは一切関係を持たない」

 と明言し、この点をガバナンスコード(行動指針)に盛り込んで徹底すると公表した。地方組織についても「都道府県支部連合会を通じて、地方組織にも周知・徹底を図っていく」とした。

 統一地方選が間近に迫り、果たして、自民党の都道府県連はどういった対応をしているのだろうか。

 共同通信が1月に公表した調査結果によると、自民党の32都道府県連が「既に確認したり今後調べたりする方針」などと回答。12県連が「旧統一教会との接点や関係遮断の意思を確認しない」と回答し、2県連が「無回答」だった。(昨年、地方選を終えた沖縄を除く)

 そこでAERA dot.は改めて「確認をしない」「無回答」だった14県連(宮城、秋田、千葉、新潟、富山、愛知、兵庫、和歌山、鳥取、島根、岡山、本、福島、山口)に、

(1)今春の統一地方選を前に、立候補予定者を公認・推薦する際、旧統一教会との接点を確認するか

(2)公認・推薦する際、旧統一教会との関係を持たないという意思を確認するか

 の2点について尋ねるアンケート形式の書面を送った。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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「調査する」と答えた県連は?