「オキナワに戻ってくることができただけでも最高だよ。ここでこうして昔の仲間と一緒に働いて、選手の手助けができるのは幸せなことだ。この素晴らしいチームで野球に関わることができて、本当にありがたいと思っている。寝てる時も飲んでる時も野球。それが僕だ。たぶんベースボールには死ぬまで関わっていくと思う」

 石川雅規、小川泰弘、中村悠平、山田哲人など、バーネットと優勝の喜びを分かち合った選手がまだ何人もヤクルトでプレーしている。当時は現役だった松元ユウイチ(現作戦コーチ)、森岡良介(現内野守備走塁コーチ)は今や指導者。チームを率いるのは、その頃は投手コーチだった高津臣吾監督である。そうした「仲間」との絆は、特別なものだという。

「日本シリーズには勝てなかったけど、(2015年に)チームとして14年ぶりのセ・リーグ王者になったのはすごいことだよ。良いことばかりだったわけじゃない。苦しいこともいっぱいあったし、それをみんなで乗り越えて勝ち取ったものだから、あの優勝、そしてあの時の仲間との関係は特別なものなんだ」

 バーネット退団後、ヤクルトは2年連続最下位という苦しい時期を乗り越え、2021、22年とリーグ連覇を達成。今年は70年を超える球団史上でも前例のない3連覇がかかる。セ・リーグでは巨人と広島しか成しえていない偉業達成へ、バーネットもエールを送る。

「ぜひ今年も優勝してもらいたいね。(3連覇が)実現したら本当に素晴らしいことだし、そのチームの一部でいられるのは自分にとっても励みになる。だからこれからのシーズンに向けて(このキャンプで)選手たちにほんの少しでもいいから何か役立つことを伝えられたらいいと思っているんだ。でもみんな本当によくやっているから、僕の助けは必要ないかもしれないね(笑)」

 そんなバーネットが愛し、感謝をしているのはヤクルトというチームだけではない。「チームスワローズ」の一員たるファンに対しても、同じ思いだという。

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ヤクルトファンは「温かく迎えてくれるから…」