スアレスは2019年オフにソフトバンクから加入し、抑えに定着後は絶対的守護神に君臨した。2020年から2年連続セーブ王となるなどブルペンを支えていたが、2021年シーズン終了後にMLBに移籍。昨季は抑えに指名された新外国人のカイル・ケラーが開幕から不調となり、その後は岩崎がその役割を担うなど、試合を締める投手をシーズン通して固定することができなかった。今季は先発陣の頑張りを1つでも多くの勝利につなげるために、ブルペン投手をどう起用するかが重要になってくるのは明白だ。

「岡田監督は現状を把握し、救援陣の整備が急務だと考えている。前回チームを指揮した時のようにJFKのような鉄壁救援陣の再現を目指す。そこで頼りになるのが藤川球児氏の存在。師弟関係と言える藤川氏と率直な意見交換をしている」(在阪テレビ局スポーツ担当)

 2005年にリーグ制覇を果たした時にブルペンを支えたのが左腕のジェフ・ウィリアムス、右腕の藤川球児、久保田智之の3人。それぞれのイニシャルから名付けられた「JFK」は、優勝の大きな原動力となり、社会現象にまでなった。JFKの一角だった藤川氏は、今季から球団本部付Special Assistantの立場から岡田監督をサポートする。

 かつて強力リリーフ陣の一員となっていた藤川氏の存在は心強いが、肝心のリリーフ陣の起用法はどうなるのだろうか。先述したとおり顔ぶれは揃っているだけに、使い方が何よりも重要になってくるのは間違いないだろう。

「少ない球種でもキレで抑える岩崎は、左打者を中心としたセットアッパー向き。抑えは昨季ブレイクした湯浅京己、来日2年目のケラー、新外国人ジェレミー・ビーズリーの3人から見つけるプラン。上手くいけば、この4人で救援陣のローテーションを回すこともでき、休養を取りながらシーズンを乗り切れる」(在京球団編成担当者)

 抑えの候補となっている23歳の湯浅は、昨季セットアッパーとして59試合に登板し、リーグトップの43ホールド、防御率1.09と抜群の安定感を披露。最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得し、3月に行われるWBCの日本代表入りも果たしている。現状、湯浅が有力候補だが、昨シーズン途中から再び抑えに回ったケラー、新助っ人のビーズリーも指名される可能性がある。

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