倖田來未(撮影/加藤夏子)
倖田來未(撮影/加藤夏子)

昨年11月13日、倖田來未は40歳を迎えた。「エロかっこいい」と称される独自のスタイルを確立し、常に進化し続けてきた。1月18日にMusic & Live Package「WINGS」がリリースされた。今年でデビューから23年目となる倖田來未は、アーティストとしてどんな高みを目指すのか。また、結婚、出産をへて母親となった今、ひとりの女性としてどのような人生を歩もうとしているのか。彼女の“リアルな思い”を単独インタビューで聞いた。

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 都内のスタジオに現れた倖田來未は、オリーブ色のスーツにアッシュ系の金髪をなびかせ、独特のオーラを放っていた。その場を一瞬で自分色に染めてしまうのは、さすがはトップアーティストだ。

 インタビューでは、最初に「浮き沈みが激しい芸能界を振り返って、今はどのような思いですか」と聞くと、真摯にこう答えてくれた。

「私の場合は、本当に浮き沈みというか、うまいこといっている時に限って、自分で自分の足を引っ張ってしまったり、奈落の底に突き落とされた時もありました。山あり谷ありが何度もありました。ただ、それも自分では前向きにとらえながら、気がついたら、もう23年目に突入していたという感じです。もちろん、いろいろな分岐点がありました。子どもを授かって、結婚して、ツアーがすっぽりなくなってしまったこともありました」

 2011年12月、倖田はロックバンド「BACK-ON」のボーカルKENJI03との結婚、妊娠を発表。それにともない、12年4月から予定されていた全国ツアーが中止となった。「来年春の私の状態では100%の演出やパフォーマンスをお見せすることができない」というのが、当時のツアー中止の理由だった。女性の心身に大きな負担がかかる妊娠と出産は、アーティストとしての活動にも大きく影響した。

「その後、ツアーの観客動員を戻すのにすごく時間がかかりました。すでに全国ツアーのチケットを発券済みだったので、そのキャンセルや振り替えで、ファンの方や関係者に多くのご迷惑をおかけしてしまいました。一時期は、ファンの方に残念な気持ちにさせてしまったという思いはあります」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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バイトを掛け持ちした下積み時代