早稲田大・吉村紘
早稲田大・吉村紘

 今シーズンの大学王者は2大会連続11度目の優勝を狙う帝京か、3大会ぶり最多17度目の頂点を目指す早稲田かーー。ラグビーの第59回全国大学選手権は8日に東京・国立競技場で決勝が行われる。帝京大学(関東大学対抗戦グループ1位)と早稲田大学(同3位)が決勝で相まみえるのは9年前の第50回大会以来で、この時は帝京が41-34で勝って5連覇を達成。今シーズンの対抗戦での対戦は、帝京が49ー17で勝っている。

【高校ラグビー「平成最強校」で頂点を極めた高校は? 独自ランキング全32校はこちら!】

 2日に行われた準決勝での両校の戦いぶりは対照的だった。

 第1試合に登場した早稲田の相手は、京都産業大学(関西大学Aリーグ1位)。京都産業とは8月に長野・菅平高原で練習試合を行い、前半は19ー17と接戦だったものの、後半は3トライを奪って、40-22で快勝している。しかし、この日は後半の終盤まで苦しめられた。

 9分に京都産業のスタンドオフ(SO)西仲隼(4年、近畿大学付属)、16分に早稲田のセンター(CTB)吉村紘(4年、東福岡)がペナルティーゴール(PG)を決めて、前半の序盤は一進一退の攻防が続いた。均衡を破ったのは京都産業だった。20分、スクラムから直接ボールを貰った身長184センチ、体重115キロの巨漢ウイング(WTB)のシオネ・ポルテレ(1年、目黒学院)が持ち前の強さを発揮し、タックルを次々と跳ね飛ばしてトライ(コンバージョンゴール成功)。早稲田はボールを動かすも相手の激しいタックルでなかなか勢いを生み出せない。しかし、26分にナンバー8村田陣悟(3年、京都成章)がトライを返す(ゴール成功)と、4分後にはゴール前のスクラムから逆サイドのWTB槇瑛人(4年、国学院久我山)が参加するサインプレーでトライを追加(ゴール成功)。17-13で折り返した。

 後半、突き放したい早稲田だったが、最初に流れをつかんだのは京都産業だった。開始直後の2分、ロックのアサエリ・ラウシー(4年、日本航空石川)が逆転トライ(ゴール成功)。京都産業はさらにPGを加えて23-17とリードを広げた。追う早稲田が流れを大きく引き寄せたのが、14分のSH宮尾昌典(2年、京都成章)のトライ。左サイドを抜けたWTB松下怜央(4年、関東学院六浦)からパスを受けて約50メートルを走り切った(ゴール成功)。

次のページ
帝京は“盤石”の戦いぶり