■北海道医療大学/独自開発したシステムを北海道の薬学部3校で共有

 北海道医療大学(北海道)は、第2回「令和3年度 数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」において、先導的で独自の工夫・特色があると認められ、医療系大学では唯一の「リテラシーレベル プラス」に選定された。

 独自の工夫・特色の源流は、2006年にさかのぼる。情報センター長を務める二瓶裕之教授はこう説明する。

「現副学長の和田啓爾名誉教授が大学独自のシステムの開発を立案し、プログラミングができる私が担当することになりました」

 開発したシステムの中で最も規模が大きいのが、実務実習支援システムだ。

北海道医療大の学生は次世代STEAMロボットを使って学ぶ(大学提供)
北海道医療大の学生は次世代STEAMロボットを使って学ぶ(大学提供)

「薬学部の学生が道内の病院や薬局で実習する際に、病院・薬局、学生、大学の3者で情報を共有するシステムです。毎日学生がレポートをアップし、即座に教員がコメントするなどの機能で、実習を円滑に進められます。道内の薬学部のある北海道大学、北海道科学大学、本学の3校で共通のシステムを使っています」

■オンラインで学び合いを深める

 10年以上かけて集まったビッグデータを活用する目的で、教育プログラム「医療系大学での学びあいと内製AIによる学修者本位の教育」を整備。22年度からは全学生の必修科目として提供している。

「AIと協働してチーム医療を実践できる医療人の育成を目指しています。学生同士が内製AIを活用して学び合うのが特徴の一つです」

 コロナ禍で声を出してのグループワークが難しい現在は、オンライングループワークを実施。複数が同時に書き込めるオンラインドキュメントを活用し、意見交換を行う。

「今後はDX事業のモデル化を進めるとともに、他大学にも成果を普及していきたいと考えています」

次のページ
10年先を見据えた必修科目「量子×AI