オフのトレードで中日からDeNAに移籍した京田陽太※画像は中日時代のもの
オフのトレードで中日からDeNAに移籍した京田陽太※画像は中日時代のもの

 フリーエージェント(以下FA)宣言をした8人の去就も決まり、ストーブリーグもある程度落ち着いた印象を受ける。初めて開催された現役ドラフトの影響もあって例年と比べても動きが激しいオフとなったが、特に効果的な補強ができている球団をトップ3という形で選んでみたいと思う。

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■3位:DeNA

主な入団選手:京田陽太(トレード)、笠原祥太郎(現役ドラフト)、西巻賢二(ロッテから自由契約)、ウェンデルケン、アンバギー(新外国人)

主な退団選手:嶺井博希(FA)、砂田毅樹(トレード)、細川成也(現役ドラフト)

 まず大きいのが中日からトレードで獲得した京田だ。今年は攻守ともに精彩を欠き、プロ入り後最低となる43試合の出場に終わったが、それ以前の5年間はショートとして100試合以上に出場しており、その守備力は12球団でも屈指であることは間違いない。ショートはここ数年補強ポイントと言われ続けており、大和がこのオフに慢性腎臓病を公表するなど更に苦しい状況になっていたが(大和の公表は京田のトレード発表後)、その弱点を埋めるために最適な補強だったと言える。現役ドラフトで獲得した笠原も京田の交換要員として移籍した砂田の穴を埋める存在として期待できそうだ。

 今シーズンキャリアハイとなる93試合に出場した嶺井がFAで移籍したのはマイナスだが、伊藤光、戸柱恭孝と経験のある捕手が残っているためそこまで大きな穴という印象は受けない。ドラフト1位で指名した松尾汐恩を抜擢しやすくなったということを考えると、長期的な意味ではプラスにもなりそうだ。大砲候補の細川が現役ドラフトで移籍したのは少し残念だったが、蝦名達夫の成長ぶりを考えれば理解できる。また故障が多いオースティンのバックアップとして長打力が自慢のアンバギーを獲得するなど外国人選手についても年内に目途が立ったことも大きい。FAでは放出する側だったが、ドラフトを含めて全体的に見るとプラスの多いオフだったと言えそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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