大きな故障がなく、あらゆるポジションで試合に出続けているのは立派だが、左打者が多いチーム事情と、オフにポジションが重なる阿部寿樹が中日から加入したことで苦しい立場となっていることは間違いない。まだまだチームにとって必要な選手であることは確かだが、レギュラーを確保できるかという意味では来年が大きな正念場となりそうだ。

 今年のオフには松田宣浩(ソフトバンク巨人)、増井浩俊(前オリックス)、平田良介(前中日)など実績のある選手が自由契約となっている一方で、37歳の大島洋平(中日)が最後まで村上と首位打者争いを繰り広げるなどまだまだ元気なベテランも少なくない。今回紹介した選手も正念場を乗り越えて、もう一花咲かせるような活躍を見せてくれることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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