対する青山学院大は、エースとしての信頼感を高めた近藤幸太郎(4年)を筆頭に、前回の箱根7区で区間賞の岸本大紀(4年)、同9区で区間新の走りでMVPを受賞した中村唯翔(4年)、同10区で区間新の中倉啓敦(4年)、そして今年の出雲と全日本で好走した目片将大(4年)、さらに横田俊吾(4年)、西久保遼(4年)と最上級生が充実。ここに佐藤一世(3年)、太田蒼生(2年)、田中悠登(2年)の下級生たちが絡んでいく。冒頭で記した通り、前回の箱根で2位に10分51秒の大差をつける大会新記録で圧勝したメンバー10人中7人がエントリーしており、チームの総合力は非常に高い。

 エントリーした選手の10000mの持ちタイムを見ると、駒澤大は27分台が2人(田澤廉、鈴木芽吹)で28分台が7人。対する青山学院大は、27分台はいないが、駒澤大を上回る13人が28分台をベストタイムを持つ。両チームを比べると、上位10人の10000mの平均タイムは駒澤大が上回るが、28分台ランナーの人数は青山学院大が多いという構図となっている。

 今年の出雲、全日本の結果、レース内容を見ると、駒澤大の強さが際立つが、青山学院大は箱根で“勝ち方”を知っている。その上で、勝負の行方を大きく左右しそうなのが、やはり「山」だ。青山学院大の原晋監督は全日本のレース後に「2区、8区が厳しい戦いになったが、他の区間はほぼ負けていない。それに山登りと山下りには自信があります。箱根は勝ちに行きたい」と語っており、それは決して強がりではないだろう。それに対して大八木弘明監督も「(三冠達成の)可能性は高い」と自信満々。過去に2度三冠に王手をかけた時はともに2位だったが、3度目の挑戦となる今回は選手たちの三冠への意識、意欲が最初から違っていたというだけに期待は大きい。

 12月10日にはチームエントリー16名を決定し、今後は各大学のエースたちが集うシンポジウム、そして注目校の監督たちによる「激突トークバトル」も行われる。果たして箱根での“2強対決”の行方はどうなるのか。戦いは、すでに始まっている。