その本田を上回るアップ率だったのが、甲子園優勝投手でもある清水達也(中日)で、今季年俸から344%増(720万円→3200万円)でサイン。昨季までは4年間で1軍通算17試合と伸び悩んでいたが、リリーフに本格転向した高卒5年目の今季は、自己最多の54試合に登板して3勝3敗32ホールド、防御率3.04と奮闘。プロ初セーブもマークした。契約更改後の記者会見では「(年俸を)すごく上げてもらったので、素直にうれしかったです」と笑み。来季へ向けて「もっとレベルアップして圧倒できる投球をしたい」と意気込みを語った。

 そして、球団史上最高、歴代でも3位の驚異的なアップ率となったのが湯浅京己(阪神)だ。2018年に独立リーグからドラフト6位で入団した右腕は、プロ入り4年目の今季はセットアッパーとして大車輪の活躍。59試合の登板で43ホールド、防御率1.09の好成績で最優秀中継ぎのタイトルに輝き、840%増(500万円→4700万円)の契約を勝ち取った。本人も「ここまでは想像していなかった」と予想以上の昇給に笑顔を見せ、「2年連続のタイトルを」と来季への抱負を語っている。

 中継ぎとして同じく飛躍のシーズンを送った伊勢大夢(DeNA)も233%増(2760万円→9200万円)と大幅アップ。今季はリーグトップの71試合に登板して39ホールド、防御率1.72と安定した投球を見せ、先輩の山崎康晃を「いつか超えたい」とクローザー座奪取にも意欲を示している。

 その他、育成選手から這い上がって今季32試合に登板した31歳・渡邉雄大(阪神)が256%増(450万円→1600万円)、ドラフト1位入団の期待にようやく応えて今季47試合に登板した矢崎拓也(広島)が250%増(800万円→2800万円)と200%超のアップ率を勝ち取ってサイン。さらにアップ率順に、増田陸(巨人)が195%(610万円→1800万円)、入江大生(DeNA)が181%増(1600万円→4500万円)、才木浩人(阪神)が171%増(700万円→1900万円)、高橋宏斗(中日)が150%増(1400万円→3500万円)、松本竜也(広島)が129%増(700万円→1600万円)、西純矢(阪神)が124%増(1250万円→2800万円)、島田海吏(阪神)が122%増(1350万円→3000万円)、赤星優志(巨人)が120%増(1000万円→2200万円)、吉田輝星(日本ハム)が106%増の(970万円→2000万円)。前述した4人に加えて、彼らも今季ブレイクした選手と言えるだろう。

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一方で年俸大幅ダウンとなった選手たちは…