【タイプ3】更年期の「イライラ」タイプ

<気になる症状>
寝付きが悪い、イライラして驚きやすい、気持ちが不安定、ほてり、寝汗、口の渇き

<改善ポイント>
●陰陽のバランスが悪く、気持ちが不安定に

 中医学の基礎となる五行学説では「心(しん)」は火(陽)、「腎(じん)」は水(陰)にあたり、どちらかが強く働きすぎることのないよう、互いを抑えながらバランスをとっています。しかし、慢性病や更年期などで心身が疲労すると、腎の陰を消耗し、心の陽を抑えられなくなってしまうのです。

 イライラやほてりを伴うこのタイプの不眠は、このように陰陽のバランスが悪くなることが原因。以下の食材をとり入れて体内の過剰になった熱を下げ、陰陽バランスをとるよう心がけましょう。

<摂り入れたい食材>
苦味のあるものや、涼性※の食材を選び、体内の熱を落ち着かせましょう。
竹の子、ふきのとう、ふき、蓮根、くちなし、苦瓜、のり、わかめなど
※涼性:からだの熱を冷ます性質

【タイプ3】におすすめの竹の子 photoAC
【タイプ3】におすすめの竹の子 photoAC

【タイプ4】消化不良の「ムカムカ」タイプ

<気になる症状>
寝つきが悪い、胃の膨満感、胃のむかつき、ゲップが多い、胃の張り・痛み

<改善ポイント>
●食べ過ぎ、飲み過ぎには要注意!

 暴飲暴食などで胃が傷つくと、胃の機能が低下して消化不良を起こします。食物が胃に長く停滞するため、胃が重く、ムカムカして眠れなくなるのです。

 消化機能を回復させることで不眠は改善できますが、胃の不調が慢性化すると熟睡できない状態が続いてしまうため、早めの対応を心がけましょう。

<摂り入れたい食材>
消化を促し、胃の消化機能を回復するものを。
サンザシ、麦芽、陳皮(ちんぴ:みかんの皮)、大根、しその実、粟など

【タイプ4】におすすめのサンザシ photoAC
【タイプ4】におすすめのサンザシ photoAC

■ポイント! 快眠のための暮らしのヒント

 不眠を起こす原因の多くは精神的なもの。まずは、イライラや不安感など不安定な精神状態を解消し、ゆったりと落ち着いて過ごす工夫をしてみましょう。

 夜ぐっすり眠ることは健康の基本。睡眠の質を高めれば、リラックスして精神もより安定します。毎日のちょっとした習慣や食養生で、快眠体質を目指しましょう。

・夕方以降にカフェイン(コーヒーやお茶類)摂取を控えましょう。
・就寝前にお風呂に入って身体を温めると、ポカポカして入眠しやすくなります。
・お風呂に入れないときには寝る前に足湯をするだけでも効果が得られます。
・お酒を飲むと寝付きやすくなりますが、飲む量は「少量」を心がけて。
・散歩や軽いストレッチなどで、適度に身体を動かしてストレス解消を。

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました