中日・荒木雅博
中日・荒木雅博

 21世紀(2001年~)に入ってあっという間に20年以上の時が経った。プロ野球でトッププレイヤーとなった選手たちは世界最高峰のメジャーリーグへ行く流れも生まれ、生え抜きとして生涯一つのチームでプレーする選手も減少している。しかし、そんな中でも各チームに“ミスター”と呼べるような球団の「顔」も誕生している。そこで今回は21世紀以降から現在までの選手で各チームの「ミスター」と呼べる選手を独自に選出した。今回はセ・リーグ編。※成績は選出された球団在籍時の通算。現役選手は9月14日終了時点。

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■ヤクルト:山田哲人(在籍12年)
 成績:1310試合 1394安打 271本塁打 800打点 190盗塁

 長らく低迷していたチームに彗星の如く現れた山田。2010年のドラフト1位で入団後、早い段階で頭角を現すと、レギュラー獲得3年目となった2015年に打率.329、38本塁打、34盗塁でトリプルスリーを達成。さらに、翌2016年と2018年にも打率3割、30本塁打、30盗塁以上をマークし、日本プロ野球史上初となる3度目のトリプルスリーの偉業を成し遂げた。2020年のオフにはFAの権利を取得し、メジャー球団を含めた移籍が濃厚との声もあったが、7年契約を結んで残留。実質“生涯スワローズ”を決断したともいえる。昨シーズンからはキャプテンとなり、球団20年ぶりとなる日本一にも大きく貢献。まだまだ今年で30歳と若く、今後も“ミスタースワローズ”として長く活躍してくれるだろう。


■横浜:三浦大輔(在籍25年)
 成績:535登板 172勝 184敗 2481奪三振 防御率3.60

 ミスター〇〇と言われると野手というイメージがあるが、横浜では投手の三浦大輔を選びたい。1998年に日本一となったシーズンでも先発ローテーションの一角として12勝を挙げるなど20世紀も活躍した選手だが、その後チームが長期の暗黒期に入った中で孤軍奮闘。常にベイスターズの顔としてチームをけん引し続けた。キャリア通算で172勝をマーク。「強いチームならば200勝できた」という評価もあるが、FA権を行使した2008年オフには「ファンの声」が決定打となり残留。現役25年を“ハマの番長”として全うした。昨シーズンからは監督に就任し、現役引退後もチームの象徴的な存在となっている。

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阪神、巨人、広島の「ミスター」は?