そんな笑福にとってもちょうどいい問題。まわりの生徒は、かなりのスピードでどんどん言葉を見つけて丸にしていく。笑福は、ゆっくりゆっくりのスピードで言葉を探して丸をつけていく。

 と、文字の中にある二文字を発見。それは「いか」です。笑福はイカのすしが大好きです。なので、小さな声で「笑福の、好きなものがあるぞ、あるぞ」と小さな声で言ってしまいました。すると、笑福は「あ、あった!」と嬉しそうに丸をつける。本来は話しかけるのは反則なのかもしれませんが、ついつい言ってしまう。これが親というものなんでしょうか。

 ある程度時間がたつと、今度は、子供たちが自分で見つけた言葉を前に出てきて発表していくのです。生徒たちはみんな手を挙げて「はいはいはい!」と、僕に私に発表させてくださいとかなりの前向き。笑福は全く手を挙げず。うん。それでもいいんだよ。

 指された生徒は前に出ていき、自分の見つけた言葉を先生に言う。「『あさがお』がありました」と言うと先生はそこに丸を付けていく。どんどん見つけられていく言葉。「いちねんせい」とか「ちず」とかいろんな言葉が隠れている。

 僕はクイズ番組も作っているので、この10×10の平仮名の中に色んな言葉を隠す大変さをよくわかっています。こういう問題作るのって本当に大変。

 が、当然、これだけ言葉を並べていくと、制作者が意図してない言葉を子供たちが見つけてしまう時もある。ある生徒が前に出てきて二文字の言葉をさした。それは「しり」。子供たち大爆笑。先生苦笑い。

 僕はかなりその文字の表を見ていたのですが、ある言葉を発見してしまったのです。逆から読まないと見つからないので難易度が高い3文字。その言葉は「りこん」でした。本当にあったのです。もちろん制作者は意図してないはずです。

 それを子供たちが発見してしまうんじゃないかと勝手にドキドキしたのですが、誰も見つけず勝手に安心したりして、授業が終了。

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先生の授業の進め方は明石家さんまさんのようなうまさとすごみ