強打者・伊藤颯希らを擁する県岐阜商は“大本命”大阪桐蔭のいるブロックで番狂わせ起こせるか
強打者・伊藤颯希らを擁する県岐阜商は“大本命”大阪桐蔭のいるブロックで番狂わせ起こせるか

 8月6日に開幕する全国高校野球選手権。3日には組合せ抽選会が行われ、初戦の対戦カードが決まった。浜田(島根)、帝京五(愛媛)、有田工(佐賀)、九州学院(本)の4校に新型コロナウイルスの集団感染があったことで大会日程と抽選方法が変更され、例年とは異なる変則日程となったが、各ブロックを勝ち抜き、準々決勝にコマを進める高校はどこになるのか。地方大会での戦いぶりなどから予想してみたいと思う。

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【第1ブロック】
・明豊(大分)、樹徳(群馬)、京都国際(京都)、一関学院(岩手)、八戸学院光星(青森)、創志学園(岡山)、愛工大名電(愛知)、星稜(石川)

 夏の優勝を経験した学校は不在ながら、近年安定した戦いを見せているチームが多く入る激戦のブロックとなった。中でも中心となりそうなのが昨年のセンバツ準優勝校である明豊と、昨年夏にベスト4に進出した京都国際の2校だ。明豊は大分大会5試合で52得点を叩き出した強打が持ち味。また、全試合3点以内に抑えており、守りも堅い。京都国際は森下瑠大、平野順大の二枚看板が出遅れながら、背番号10の森田大翔が成長。投手陣に厚みが加わった。森下、平野が完全復調すれば京都国際が勝ち抜く可能性もあるが、総合力では勝る明豊を1番手と予想したい。


【第2ブロック】
・鶴岡東(山形)、盈進(広島)、近江(滋賀)、鳴門(徳島)、海星(長崎)、日本文理(新潟)、天理(奈良)、山梨学院(山梨)

 センバツ準優勝の近江とセンバツで大阪桐蔭を苦しめた鳴門がいきなり対戦。山田陽翔と冨田遼弥のエース対決は1回戦でも最大の注目ポイントと言える。他にも150キロ右腕の田中晴也を擁する日本文理、春夏連続出場の天理、山梨学院など力のあるチームは多いが、わずかに天理が有利と予想する。春から夏にかけてエースの南沢佑音が大きく成長。奈良大会では無失点と圧巻の投球を見せた。上位から下位まで力のある打者が並び、奈良大会5試合で1失策と守備も安定している。初戦の山梨学院戦で勝ち切れば、ベスト8進出が見えてくるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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