北海道の自民候補の応援に駆けつけた岸田首相
北海道の自民候補の応援に駆けつけた岸田首相

 参院選は7月10日の投開票まで1週間を切った。激戦区をみると、北海道には自民、立憲民主の両党幹部が多数押し寄せ、党を挙げての戦いに。一方、京都では、日本維新の会に議席を取らせないという、同じ政治的な狙いを両党で共有しているようだ。

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●安倍、麻生両氏も投入の自民、立憲は枝野前代表ら党幹部で応戦

 7月3日、札幌市の繁華街・大通公園で西日を浴びながら、聴衆に手を振る岸田文雄首相。

「参議院選挙もラストサンデーです。なぜ私がここ、札幌にきているのか。北海道で2議席をお願いするためです。未来を切り開くことができるのは我々だ」

 と声を張り上げると大きな歓声が上がった。

 参院選も終盤を迎え、北海道選挙区では自民と立憲が「三つの椅子」のうち、2席の確保をめぐり、熾烈(しれつ)な選挙戦が繰り広げられている。

 この日、岸田首相は、午前中にテレビの討論番組の出演と東京選挙区などでの応援演説。午後には北海道に入り、自民から立候補している長谷川岳、船橋利実両氏の応援で2度マイクを握った。

 一方、立憲の泉健太代表も、岸田首相の立つ街頭から徒歩で数分の札幌駅前にいた。

 立憲の候補者、石川知裕氏の応援演説に立ち、

「物価上昇を止めなければならない、自民党では国民目線の政治ができない。ぜひ立憲民主党に」

 と訴えていた。

北海道の立憲候補の応援に駆けつけた泉代表
北海道の立憲候補の応援に駆けつけた泉代表

 同じ日のほぼ同時刻に、自民と立憲のトップが札幌で演説するという異例の展開。自民はすでに、首相経験者の安倍晋三氏、麻生太郎氏も北海道で支持を訴えており、

「連日、自民の幹部、閣僚が北海道に来ている。それほど激しく競り合っているということだ」(自民幹部)

 立憲も、泉代表だけでなく、枝野幸男前代表や小川淳也政調会長ら幹部が石川氏や徳永エリ氏の支援に駆けつけており、両党とも総動員の様相だ。

 前回2019年の参院選は自民、16年は民進党が、それぞれ2議席を確保。昨年10月の衆院選でも、小選挙区12のうち、五つの区を立憲が取っており、今回も激戦が必至だ。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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3席目を石川氏と船橋氏で奪い合う