auショップの看板
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 携帯電話大手のKDDIで起きた過去最大規模の通信障害。だが、過去にはNTTドコモ、ソフトバンクでも大規模な通信障害が発生しており、どのキャリアを使ってもリスクはある。もしもの時のために、どんな「自己防衛策」を取っておけば安心なのか。スマホに詳しい専門家に聞いた。

【写真】auショップに貼られた通信障害に関するお知らせ

 今回の通信障害では、「au」「UQ mobile」など、KDDIが提供するモバイル通信だけではなく、KDDIのモバイル回線を利用している楽天モバイルや格安スマホ「MVNO」もつながりにくくなった。また、金融や物流など社会インフラにも影響を及ぼし、総務省はKDDIへの行政指導を検討する方針だ。

 ただ、過去にはドコモ、ソフトバンクでも大規模な通信障害が発生しており、どのキャリアの携帯を使っていてもリスクは避けられない。どんな備えをしておくことが望ましいのか。

 ITジャーナリストでスマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんは、「非常時のことを考え、異なるキャリアのスマホを2台持っておくことがもっとも安心だと思います」と話す。

「基本のき」であるが、お金の負担を考えてしまう人もいるだろう。

 だが、中古のスマホや、家で眠っている以前使っていたスマホを復活させれば負担は減る。また、格安スマホ業者には、使った分だけ料金がかかる契約方法を設定しているところもあり、工夫によって節約は可能だ。

「お財布との相談にはなりますが、2台目の携帯料金は月額1000円以内に抑えられると思います。みんなで同じキャリアの携帯を使い『家族割引サービス』を利用しているご家庭では、誰かが2台持ちにしたり、一人だけ別のキャリアのスマホに変えることを検討しても良いかもしれません」(鈴木さん)

 また、「デュアルSIM」と言って、2つのSIMカードを入れられる端末がある。1つのSIMカードに後から情報を書き込める「eSIM」に対応している端末なら、SIMカードを2つ用意しなくても、オンライン上の手続きだけで2回線目の契約が可能だ。SIMはそれぞれ違うキャリアにする必要があり、お金はかかるが、1台で安心を買うことができる。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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