<フェリス女学院のウェブサイトに以下の記述。

「セーラー服がフェリス女学院の標準服として着用が推奨されたのは、1921(大正10)年のことです。関東大震災後に制服として正式決定され全員が着用するようになりました。冬服は紺のセーラーカラーにひだスカート、襟のライン、ネクタイはえんじ。夏服は白地の上着にブルーグレーのギンガム地のセーラーカラー、襟のラインは白、黒のネクタイ。スカート丈、ネクタイの結び方などは、その時代その時代で多少変化はしているものの、今日まで100年ほぼ変わることなく大切に着続けられています」>

―――刑部さんはそれだけ学生服への思いが強くあるようですが、いつごろから興味を持たれたのでしょうか。

 子どものころから学ラン、セーラー服が好きでした。中学1年生の登校初日、わたしの学校は男女ともにブレザーでしたが、線路の向こう側にある学校が学ランとセーラー服だったのです。その姿がとてもうらやましく、いつかは 学ラン、セーラー服の歴史を解明したいと思っていました。

―――学生服について、これから取り組まれるテーマについて教えてください。

 学ラン、セーラー服が姿を消しつつあります。それがなぜなのか。戦後から今日に至るまで、女子のセーラー服、男子の学ランに対する意識を調べて、学生服の歴史をしっかり検証したい、と考えています。

(構成/教育ジャーナリスト・小林哲夫

刑部芳則(おさかべ・よしのり)/日本大学商学部准教授。1977年東京都生まれ。中央大学大学院博士後期課程修了、博士(史学)。著書に『古関裕而』(中公新書)、『帝国日本の大礼服』(法政大学出版局)、『三条実美』(吉川弘文館)など。NHK連続テレビ小説「エール」の風俗考証などを担当。