カナダ代表のデイビス(写真/gettyimages)
カナダ代表のデイビス(写真/gettyimages)

 今年11月開幕のサッカーW杯カタール大会。大陸間プレーオフが終了し、出場全32チームが出揃った。英ブックメーカー「ウィリアム・ヒル」が今年4月に公開したオッズ通り、FIFA ランク1位のブラジル、前回王者のフランスの2カ国を筆頭に、イングランド、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、ベルギー、ポルトガル、オランダまでが優勝候補であり、この列強国の中から優勝チームが誕生する確率は高いだろう。だが、ベスト4、ベスト8に視野を広げると、予想外のチームが勝ち上がる可能性は、過去の大会同様に大いにある。では、今大会で“番狂わせ”を起こすダークホースはどの国になるのか。(文中のFIFAランクは2022年3月31日発表のもの)

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 俄然、注目を集めているのが、36年ぶり2回目のW杯出場となるカナダだ。FIFAランク38位。アイスホッケーとメープルシロップで有名な国であるが、サッカー人気も高く、自国開催(3カ国共催)となる2026年W杯へ向けた長期的強化を進めて来た中で、今大会の北中米カリブ海予選でメキシコ、アメリカを抑えて首位通過を果たした。チームには、アフリカにルーツを持つ選手が多く、特に圧倒的なスピードを持つ21歳のMFデイビス(バイエルン)、22歳のFWデイヴィッド(リール)の2人は、世界的にも注目されている若き逸材。その他の面々もMLSのレベルアップとともに確かな実力を持っている。グループF(ベルギー、クロアチア、モロッコ)を勝ち抜く難易度は高いが、女子代表を世界の強豪に押し上げたハードマン監督の下でチームの結束力も強く、サプライズの材料は揃っている。

 その隣のスポーツ大国、アメリカも侮れない。FIFAランク15位。前回のロシアW杯では最終戦に敗れて予選敗退となる悲劇を味わったが、それまで7大会連続のW杯出場で、その間4度、決勝トーナメントに進出した。そして現チームには、FWプリシック(チェルシー)、FWレイナ(ドルトムント)、MFマッケニー(ユベントス)、DFデスト(バルセロナ)とビッグクラブに所属する選手たちが多く、個々のクオリティーは高い。今回の北中米カリブ海予選では3位通過となったが、2021年夏のゴールドカップではグループリーグ3戦全勝から決勝トーナメントでジャマイカ、カタール、メキシコをいずれも1対0のスコアで下して優勝。堅守速攻のスタイルでグループB(イングランド、イラン、ウェールズ)を突破すれば、過去最高のベスト8(2002年日韓大会)以上も見えてくる。
 

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アフリカ勢で注目は?