キタニタツヤさん(撮影:張溢文)
キタニタツヤさん(撮影:張溢文)

 東京大学在学中の2014年頃に音楽活動をはじめ、2020年にソロアーティストとしてメジャーデビューを果たしたキタニタツヤ。“神曲”と話題になった“木10”ドラマ『ゴシップ#彼女が知りたい本当の〇〇』の主題歌をはじめ、ドラマ、アニメのテーマソングを数多く担当する一方、ジャニーズWEST、私立恵比寿中学への楽曲提供、Ado、まふまふの楽曲制作に携わり、ヨルシカにベーシストとして参加するなど、多才ぶりを発揮している。

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 “東大生のボカロP”からキャリアをスタートさせたキタニに“音楽と学び”の関係について聞いた。

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 音楽好きの母親の影響で、幼少期からロックバンド(ASIAN KUNG-FU GENERATION、8otto、MO’SOME TONEBENDERなど)に親しんできたというキタニタツヤ。小学生~中学生までは「音楽は好きでしたけど、めっちゃ普通の野球少年」だったという。

「杉並区出身なんですけど、お受験もせず、普通に区立の小学校、中学校に通ってました。ランドセルに(ロックバンド)ELLEGARDENのステッカーを貼ってましたけど(笑)、ごくごく普通の子どもでしたね。中学3年のときは、一応、野球部のキャプテンをやってましたけど、すぐにサボりたがるダメなキャプテンで。音楽やサブカルに詳しいヤツと仲良くなって、そいつのウチでマンガを読んだり、YouTubeを見てるほうが楽しかったんですよね」

■高校入学時には金髪に

 中学卒業後は、都立西高校へ進学。日比谷高校、国立高校と共に“都立御三家”と呼ばれる都内トップレベルの進学校だ。西高校を選んだ理由は、家から自転車で通えること、そして、校則のゆるさ。

「親からは『公立に行ってほしい』と言われてたんですけど、私服で通学したり、髪を染めたくて。日比谷はきちんとしているイメージだったんですけど、西高校は校則がほとんどなくて、かなり自由なんですよ。僕、入学前の登校日に金髪にして行きましたけど(笑)、何も言われませんでしたから」

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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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現役で東大に合格