「内野が土のグラウンドの甲子園は人工芝に比べてイレギュラーのバウンドが多い。守備が難しいのは間違いないですが、選手個々の技術以前に起用法も疑問が残ります。今年のオープン戦を見ても佐藤はアマチュア時代に守っていた本職の三塁に完全にコンバートしたわけではなく、昨年までの右翼も守っている。大山も昨年までの三塁、今年から挑戦している外野、さらに一塁と色々なポジションを守っている。複数のポジションを守れた方が戦術の引き出しが増えることは間違いないですが、佐藤と大山は全試合出場して活躍してもらわなければ困る選手です。守備位置を固定して打撃に集中させた方がいい。オープン戦だから色々試しているのかもしれませんが、シーズンに入ったら佐藤、大山は責任感を持たせるためにも守備位置は1か所に固定してほしいです」(在阪のテレビ関係者)

 矢野燿大監督は2019年から就任以降3年連続Aクラス、20年から2年連続2位と頂点にあと一歩届いていない、17年ぶりのリーグ優勝を目指す今年は春季キャンプイン前日の全体ミーティングで今季限りを持って退団する意向を表明し、選手やスタッフたちを驚かせた。退路を断ち、チーム内の結束は固い。優勝を十分に狙える陣容だが、課題の拙守で足をすくわれないか心配だ。(牧忠則)