一般高齢者の3回目集団接種は予定通りにはなっていないという
一般高齢者の3回目集団接種は予定通りにはなっていないという
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「軽症で済むなら問題ない」「普通の風邪に近づいてきている」。13日の新規感染者数は全国で1万8千人と、2万人に迫る勢いでオミクロン株の感染が急拡大しているが、重症化リスクが低いという見解から、そんな声もあがっている。他方で、オミクロン株によって日常生活に影響を与える症状「ブレイン・フォグ」(脳の霧)の懸念が専門家から指摘され、感染に対する“楽観論”に警鐘を鳴らす。一方で、オミクロン株対策の要となる政府のワクチン接種も、予定通りまったく進んでいない実態が入手した内部資料からわかってきた。

【表】オミクロンで症状が変化、専門家が驚いた数字はこちら

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「首相はオミクロン対策、ワクチン確保の遅れに対して、危機感がまったくない」

 思わずこう言葉を漏らしたのは、ある官邸関係者だ。岸田首相は11日、オミクロン株の感染拡大の対策として、高齢者のワクチン接種の前倒し、自衛隊による大規模接種会場の再開、水際対策の強化などを打ち出した。積極的に取り組んでいる様子だが、官邸関係者は「実はうまくいっていない」と言う。どういうことか。

 その実態を示すのが、AERAdot.が入手した政府の内部資料だ。資料によると、3回目のワクチン接種がまったく進んでいない現状が浮かび上がる。

 資料によると、計画では昨年12月までに879万人が3回目の接種をしている予定だった。しかし、実績では53万人で、目標達成率はわずか6%だ。また、計画では1月末に1469万人が接種を終える予定だが、13日時点で接種が終わっているのは103万人、達成率はわずか7%。このペースで行くと1月末までに接種が終わるのは183万人、達成率は12%にとどまると推計している。

■計画的にまったく進んでいない

 もう少し具体的に見ると、当初予定では1月末までに医療従事者等576万人の接種が終わり、高齢者3273万人の約2割が接種、一般4972万人の約5%が接種を終えている予定だった。計画的にまったく進んでいないのは明らかだ。

 世界的に見ても、日本はワクチン確保に失敗している現状がある。各国の3回目接種率をまとめた別の内部資料からもわかる。

 その資料によると、3回目接種率が最も高いのはチリで60.55%。イギリス52.29%、バーレーン50.82%、イスラエル50.75%と続く。ヨーロッパではドイツ43.09%、イタリア39.26%、フランス38.61%となっている。アジアを見ても、シンガポールが43.28%、韓国41.85%、中国22.92%などだ。だが、日本は0.69%にとどまっている(数字はいずれも1月10日時点)。

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「やっている感」の首相の対策