コロナ禍で活動が縮小化しているPTA。PTAと言えば、普通の任意団体ではありえない「自動強制加入」、「会費は強制徴収」、「個人情報はダダ洩れ」で、その運営には問題点が多い。そもそもPTAとは、保護者(Parent)と教職員(Teacher)が子どもたちのために協力する会、と理解され、現実には「学校のお手伝い」「寄付」の活動がメイン。そんなPTAに関して、長年「改革」に斬り込むノンフィクションライター大塚玲子氏に話を聞いた。

【写真】卒業式をYouTubeでライブ配信した小学校のPTA

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――大塚さんの近著に『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)がありますが、そもそもPTAに関して取材を始めたのは?

 私自身も子どもの学校のPTAに足を踏み入れたとき 、やっぱり「これはなんなんだ!」というすごい納得いかない、理不尽だっていう思いがものすごくありました。

 ただ、その時 は、もう言葉にもならない感じで、ひたすら溜め込んでいたんですけど、著書にまとめようと思ったきっかけは、9年前、NHKの『あさイチ』でPTAを改革した実例を見てから。岡山の学校のお話だったんですけど、PTAの活動が本当に楽しそうで、やりたい人がPTAをやるという活動にしたら、こんなふうになるんだと思ってすごくビックリしました。

「なんだ! 変えられるんなら変えりゃいいじゃん」みたいな感じで、それを周囲に話していたら、取材を進めてみようということになり、始めてみたら、結構、ドロドロしていながらも、面白いんですよね(笑)。PTAの問題は根深く、簡単には解決しないところがイヤになりますけど、ハマったので、PTAに関する執筆活動などを続けています。

――問題点の根深さとは、例えば?

「ひとり親家庭だったら困るじゃないか!」と感じたり、実家にも頼ることができず、本当にひとりきりでお子さんを2人も3人も育てている方も結構いますが、一律どこの家庭でも「全員がやってください」というのには、「ふざけるな!」という思いがあります。

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PTAの仕事や会費は一律って乱暴では!?