仲間について語る田中真弓さん(撮影/写真部・加藤夏子)
仲間について語る田中真弓さん(撮影/写真部・加藤夏子)

ゾロ役の中井和哉君とナミ役の岡村明美ちゃんは、当時は緊張していたと思います。でも割とすぐに仲良くなりましたね。ウソップ役の山口勝平は、2人の子どもと落語会をやって奥さんがチケットのもぎりをやっているという、仲のいい家族。それをみんなで見に行くし、尾田っちも見に来る。そうやって家族ぐるみで交流しているうちに、自然と仲が深まっていきました。

――麦わらの一味以外でも、この22年間で次々と新たなキャラクターが登場しました。

コロナになってからバラバラで録るやり方になって今は寂しい状況ですけれど、それまでは声優が50人集まるような時もありましたよ。アラバスタ編から新たな編に突入する入れ替えの時期や、ドレスローザ編に入るちょっと前の移行期に、キャラが大勢登場するシーンがありました。今録っているところも登場キャラが多いので、もし一緒に録ったら30~40人はいます。コロナがなければにぎやかだったんじゃないかな。

――22年間アニメを続けてきた中で、思い出深い共演者はいますか。

ビビ役の渡辺美佐さん。彼女とも一緒に旅行したりして、アラバスタ編の時は濃かったです。だから、ビビが船に乗らないと知った時は悲しかった。きっと美佐も悲しかったはず。その後、映画などでまた共演ができた時はすごくうれしかったです。作中のキャラとしても、私は本当にビビが好きなんです。船に乗ってくれれば、ナミやロビンと同じような存在になったのに、乗らなかったから思いが残っちゃったんです。こうやって私がビビを好きだと言うと、ナミ役の岡村明美ちゃんが言うんです。「ルフィが誰かひとり女を好きになるとしたら、ナミでいてほしいです!」って(笑)。

――麦わらの一味の中でムードメーカーを挙げるとしたら誰でしようか。

ウソップ役の勝平です。あとは、ニコ・ロビン役の山口由里子もすごく面白いんです。ウソップやルフィは、おふざけキャラだからそのまんまなんですけれど、ロビンと山口由里子のギャップが激しすぎて、余計に面白いですね(笑)。

――皆さん個性豊かでバラエティーに富んでいますね。麦わら海賊団の中で、田中さん自身はどのような役割を担っていますか。

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田中さんを支えた「ルフィのセリフ」