投手陣は則本がチーム最多の11勝をマーク。瀧中瞭太が自身初の2ケタ勝利をマークしたのは大きな収穫だった。早川も9勝7敗と合格点をつけられる結果で、岸は9勝10敗と負け越したが防御率3.44と悪い数字ではない。誤算と言えるのは、昨季最多勝のタイトルを獲得したが6勝止まりで、ファーム降格を味わった涌井ぐらいだろう。

「救援も含めて投手陣はまずまずではないでしょうか。気になるのはチーム全体に爆発力がなく停滞しているように感じること。選手個々の名前を見ると豪華な陣容なのですが、主力はピークを越えた選手が多く、チームに勢いをつけなければいけない若手が伸び悩んでいる。怖さというか迫力がないんですよね」(地元・仙台のテレビ関係者)

 実績ある投手たちの高齢化も進む。岸は37歳、涌井は35歳、田中は33歳、則本は30歳。瀧中がブレークしたように、「黄金ローテ」が先発を保証されないぐらい競争が激化しなければ、さらなる高みは目指せない。編成権も持つ「全権監督」の石井監督は来季が2年契約の最終年。リーグ優勝以外は楽天ファンも納得できないだろう。背水の陣でどのようなタクトを振るうか注目される。(牧忠則)