武豊騎手(写真:倉元一浩)
武豊騎手(写真:倉元一浩)

 ゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』は、実在した競走馬を美少女キャラに擬人化したコンテンツで、「Yahoo!検索大賞」や「Google Play ベスト オブ 2021」の「ベストゲーム 2021」を受賞するなど、競馬好きの中高年から若年層まで幅広い層から人気を集めている。この一大ムーブメントを「相棒」である騎手はどのように感じているのか。サイレンススズカやスペシャルウィークをはじめ、長年多くの名馬に乗ってきたレジェンド騎手の武豊さん(52)は、このブームにを喜び、NHKの番組内でもビデオメッセージを寄せていた。武さん本人にインタビューし、「ウマ娘が競馬界にもたらしたもの」について語ってもらった。

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――「ウマ娘」のブームで、競馬人気も高まっています。影響を感じてますか?

ウマ娘の話題は本当によく耳にしますし、すごい影響力だなと思っています。実際、僕の周りでも、中学生ぐらいの知人の息子さんから、僕が過去に出ていたレースのことなど質問をされるようになりました。僕が乗ってきた馬たちも、たくさんキャラクターになっているからです。ウマ娘がなかった頃は、子どもたちと競馬の話をあまりしたことがなかったのに、急にいろいろ聞いてくるようになってびっくりしています。今の中学生は、スペシャルウィークやディープインパクトのレースを見たことがない世代。その世代が過去の馬に興味を持ってくれるのは、すごいことですよね。

――ナイスネイチャなど、ウマ娘のモデルになった引退馬への寄付が倍増するといった現象も起きています。

現役時代の彼らを知らなくても、ウマ娘をきっかけにその馬のことを調べてもらえて、馬が脚光を浴びているのは嬉しいですね。引退後の馬も、支援があれば救われる。いろんなところにいい影響が出ていると思います。

――競走馬が美少女に擬人化されることについて、当初はどんな印象を抱いていましたか?

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骨折を機に引退したあの馬 「よみがえってうれしい」