FAで去就が注目されていた広島の大瀬良大地、九里亜蓮がそろって残留を発表した。大瀬良は今季自身5度目の2ケタ勝利をマークするなどプロ8年間で67勝。九里も今季自己最多の13勝で自身初の最多勝を獲得した。両投手がFA宣言すれば争奪戦は必至だっただけに、広島ファンにとっては朗報だ。17年に首位打者を獲得するなどシーズン打率3割を4度記録しているDeNA・宮崎敏郎も6年契約で残留が決定した。

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 注目選手たちが残留の決断下す中、熟考しているのが阪神・梅野隆太郎、中日・又吉克樹だ。

「梅野は阪神の正捕手として活躍してきましたが、今年のシーズン終盤は先発マスクを外れる機会が多くなった。疲れが見え始めて体にキレがなくなったため仕方ないとも思うが、本人がどう考えるか。阪神への愛着が強い一方で、最も必要とされる球団に行きたいという思いもあるでしょう。又吉はセットアッパーとして抜群の安定感を誇り、推定年俸4200万円と破格の安さです。FAの権利を行使すれば、セ・パ問わず争奪戦になるでしょう」(スポーツ紙デスク)

 そこで、注目されるのが巨人の動向だ。FAでの戦力補強は巨人のイメージが強い。落合博満、広澤克実、清原和博、工藤公康、江藤智、小笠原道大、村田修一、杉内俊哉と各球団の主軸やエースを獲得してきた歴史がある。近年も18年オフに丸佳浩、炭谷銀仁朗(現楽天)、昨オフに梶谷隆幸、井納翔一をDeNAから「両獲り」している。

 ただ、今オフは「FAで選手を獲得する選択肢が低い」(スポーツ紙記者)という。

「生え抜きの選手たちで十分戦えるという手ごたえがあるのだと思います。実際、巨人は能力の高い選手が多い。投手陣を見ると今村信貴は先発ローテーションに入る力を持っているし、畠世周も先発、救援で稼働しましたが潜在能力を考えると物足りない。若手も将来が楽しみな有望株が多い。FAで戦力補強せず、彼らを育てることで十分に戦えると思います」(同前)

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生え抜き中心のチームに