2020年のキャンプで打撃練習をする阪神・高山俊
2020年のキャンプで打撃練習をする阪神・高山俊

 ネックとなっているのは前述した通り守備の安定感の無さだが、脚力と地肩の強さは申し分ないだけに何かキッカケを掴めば向上する可能性は十分にあるように見える。また大学時代から打てなくなると深く考え込むことがあると話しており、ここ数年はフォームがよく変わっているのも気になるところだ。元々ミート力は高いだけに、安定して強く振れる形ができるかがポイントとなりそうだ。年々外野のレギュラー争いは厳しくなっているが、ポテンシャルの高さは球団内でも屈指だけに、再び広角に打ち分ける鮮やかなバッティングを見せてくれることを期待したい。

 投手ではかつて守護神を務めた2人の復活が待たれる。1人目は中崎翔太(広島)だ。ドラフト6位での入団ながら、3年目には一軍に定着。5年目の2015年からはクローザーを任されると、2016年からは3年連続で胴上げ投手になるなどチームのリーグ3連覇に大きく貢献した。しかし2019年は開幕から調子が上がらずシーズン途中に中継ぎへ配置転換となり、2020年は6試合、2021年は4試合と年々登板試合数を減らして存在感は薄くなっている。すっかりベテランのような雰囲気があるが、一軍に定着したのが早かったため年齢的には今年で29歳と老け込むにはまだまだ早い。秋季練習の紅白戦では力のあるボールを投げ込んでいるだけに、来年こそは三連覇を達成した頃のストレートが戻ってくること期待しているファンも多いはずだ。

 復活が待たれるもう1人の元守護神は西野勇士(ロッテ)だ。育成ドラフトでの入団ながら4年目のオフに支配下登録を勝ち取ると、5年目の2013年には先発として9勝をマーク。翌年から抑えに転向すると、2年連続で30セーブ以上をマークし、チームの守護神へと成長を遂げた。その後は故障で低迷し、2019年に復活の兆しを見せたものの昨年再び肘を痛めて6月にはトミー・ジョン手術を受けている。今年はリハビリに費やしたが、ストレートのスピードとフォークのブレーキが戻ってくれば、まだまだ主力として活躍できる可能性はあるだろう。

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再び“主役”に舞い戻る選手は…