広島・中崎翔太
広島・中崎翔太

 日本シリーズの真っ最中だが、徐々に来シーズンのことが気になる季節になってきた。春季キャンプに比べると注目度は低いが、若手や復活を期す選手たちにとっては秋季キャンプも非常に重要なものと言える。そこで今回はここ数年不振が続いているものの、来シーズンの復活を目指す“元主力”たちをピックアップして復活に向けてのポイントなどを探ってみたいと思う。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 野手でまず取り上げたいのが今宮健太(ソフトバンク)だ。プロ入り4年目の2013年にショートのレギュラーを獲得すると、そこから5年連続でゴールデングラブ賞を獲得。2015年のプレミア12では侍ジャパンのメンバーにも選出され、名実ともにパ・リーグを代表するショートへと成長を遂げた。しかし2018年以降は度重なる故障で年々出場試合数が減少。昨年はレギュラー定着後では最低となる43試合の出場に終わっている。

 今年は125試合に出場して少し持ち直してはいるものの、打率は2割台前半に終わり、目立った活躍を見せることができなかった。気になるのがやはり体調面だ。小さな体でダイナミックなプレーを見せる反動もあってか、ここ数年はとにかく故障が多く、1年を通じて満足な状態でプレーすることができていない。バッティングに関しても少し長打を狙おうとして、淡白になっている点が気になる。今年で30歳を迎え、ベテランに差し掛かってきているだけに、もう一度プレースタイルの見直しが必要な時期と言えるだろう。

 華々しいデビューを飾りながら年々存在感が薄れている選手の代表格と言えば高山俊(阪神)である。明治大では東京六大学のリーグ戦通算安打記録を塗り替えるなどの活躍を見せ、2015年のドラフト1位で阪神に入団。1年目からいきなり開幕スタメンを勝ち取ると、最終的には新人として球団のシーズン安打記録を更新する136安打を放つ活躍を見せて、見事に新人王に輝いた。しかし2年目以降は守備の不安から打撃の調子も落として低迷。2019年には73安打を放って復活の兆しを見せたが、良い状態が長続きすることはなく、今年はプロ入り6年目にして初の一軍出場0に終わった。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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