巨人の岡本和真(C)朝日新聞社
巨人の岡本和真(C)朝日新聞社

 3位から日本一を狙う巨人阪神と敵地・甲子園で激突するCSファーストステージが6日から始まるが、気がかりなのは別メニューが続いている不動の4番・岡本和真だ。

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「10月31日の守備練習で左わき腹付近に痛みを感じたのか表情をしかめてベンチに戻ると、その後に予定された打撃練習を取りやめていた。今月4日の全体練習から合流したが、三塁の守備は捕球のみで送球は行わず、フリー打撃も回避した。正直、万全な状態からは程遠いと思います。残された時間も少ないが、責任感が強い選手なので試合に強行出場して患部が悪化するのが怖い。わき腹痛は悪化すると時間がかかるし、再発のリスクも高まる」(スポーツ紙記者)

 今季は丸佳浩坂本勇人と主力が打撃不振や故障で戦線離脱する中、自身初の4番で143全試合出場した。5、6月に月間9本塁打と量産。9月下旬以降は17試合でノーアーチ、10月は18試合で1本塁打と調子を落としたが、39本塁打、113打点で打撃2冠を獲得。4年連続30号をクリアし、誰もが認める4番に成長した。昨年に続き2年連続本塁打と打点の2冠王は王貞治(現ソフトバンク球団会長)以来球団史上2人目の快挙だ。

 2018年に打率.309、33本塁打、100打点と大ブレークした年も、死球で右手親指を骨折したが休まずに全143試合に出場した。故障に強いのは一流選手の証だが、巨人ファンからは心配の声の方も出ている。CS出場に関してもSNS、ネット上では「CSなんかどうでも良い。無理に出る試合じゃないと思う。優勝したなら負けられないとかあるけど、3位なんだし、岡本選手は来季に向けた準備を優先してもらいたい」、「無理してCSに出場する必要は全くない。チームの役立ちたいという思いから出場を志願すると思うが首脳陣は止めて欲しい。将来のある岡本を壊さないでくれ」などのコメントが。

 広角に長打を放つ打撃技術、4番の風格を備えた岡本の代役はなかなか見当たらない。中距離打者のウィーラー、丸、坂本がカバーする可能性が高い。スポーツ紙デスクは「中田翔も抜てきされる可能性があります」と予測する。

日本ハムでは不動の4番を務め、打点王を3度獲得するなど実績は申し分ない。今年は電撃トレードでシーズン途中に加入し、思うような結果を出せなかったが、4番という一番しっくりくる打順で復調する可能性がある。シーズンで不完全燃焼だった分、短期決戦で期する思いが強いでしょう。坂本、丸を4番に入れると他の打順も替えないといけないので、打線のバランスが崩れるリスクがありますしね」

 中田にとって今季は激震の年だった。チームメートへの暴力事件が発覚し、8月11日に1、2軍戦の試合無期限出場停止処分が下ると、同月20日に巨人にトレードで電撃移籍。即1軍出場で期待されたが、2度のファーム降格を味わうなど34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点と屈辱にまみれた。

 CSに関しても、「一塁は中田でなく、中島宏之を使うべき」という声が多い。岡本のコンディションが心配されると同時に、どのようなオーダーで下克上を狙うか。原監督の手腕が注目される。(中田顕吾)