昨年にトレードで楽天から巨人に加入したウィーラー (c)朝日新聞社
昨年にトレードで楽天から巨人に加入したウィーラー (c)朝日新聞社

 昨シーズンに楽天からトレードで加入したゼラス・ウィーラーは今や巨人に欠かせない存在だ。

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 今季は野手の新助っ人たちが全選手シーズン途中に帰国する中で存在感を示した。チームも後半戦に大失速となり厳しい戦いを強いられたが、クライマックスシリーズ(CS)進出を決め日本一の可能性が残っているのは、この男の存在が大きいと言える。

「開幕早々、新型コロナウイルスの検査で陽性となった選手も出た。チーム全体に動揺がなかったとは言えない。(ウィーラーは)練習メニュー1つこなすにしても雰囲気が違う。元気を出して率先してチームを引っ張る選手が多くない中、プレーとともに明るさでもチームを救った」(巨人関係者)

 4月3日に丸佳浩、中島宏之、若林晃弘の3人が新型コロナウイルス陽性と判明。翌4日の試合開始直前にはウィーラー自身も陽性と判定された。主力選手の相次ぐ離脱で序盤から苦しい状況となったが、復帰後からウィーラーは好調を維持し、シーズンを通してチームの勝利に貢献し続けた。

 またウィーラーは明るいので誰からも愛される存在だ。見た目が似ていることから「ハクション大魔王」と呼ばれ、楽天時代から本家とコラボしたグッズまで発売されるほどの人気となった。本塁打を打った際にヘルメットを回転させ被り直す「くるりんぱ」など同僚やファンを盛り上げるパフォーマンスも忘れない。常に笑顔を絶やさないムードメーカーでプレー以外でも貢献度は高い。

「ウィーラーは明るいだけでなく繊細で周囲に気を使う性格でもある。グラウンド上で見せる全力プレー同様、日本球界でやっていくために相当努力している。誰からも愛され尊敬されるのがわかります」(巨人関係者)

 今季はメジャーリーグで通算196本塁打のジャスティン・スモークと、同96本塁打のエリック・テームズという実績十分な助っ人が加入した。そんな状況もあり、ウィーラーはキャンプから外国人野手としては3番手扱いで出場の機会が大幅に減る可能性もあった。

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新助っ人が“全滅”する中で…