野球ファンの脳裏には「記憶に残る選手」として刻まれているが、17年間の現役生活で残した実績も立派だ。外野の守備でゴールデングラブ賞を10回受賞し、メジャーでも勝負強い打撃でジャイアンツ時代に日本人選手初のワールドシリーズに出場した。日米4球団で1524安打、225本塁打をマーク。紛れもない一流選手だ。

 日本ハム時代に対戦した選手はこう振り返る。

「身体能力は高いし才能でプレーしているイメージが強いと思いますが、投手をよく見ているんです。バッターボックスで立つ位置を変えたり、甘い球をわざと見逃してウイニングショットを決め打ちして投手にダメージを与えたり…洞察力が凄かったですね。日本ハムの選手に聞いたら、『新庄さんは表では練習しないけど、夜中までトレーニングしている。体がメチャメチャ締まっていますよ』と話していました。監督になったら、楽しさの中に厳しさを選手に求めると思います。個人的には大田泰示をどう起用するか楽しみですね。身体能力が高く外野守備は球界屈指ですが、打撃にムラがあってなかなか力を発揮できていない。現役時代の新庄さんとプレースタイルで重なる部分があるので覚醒してほしいですね」

「新庄劇場」の続きは監督で――。来季はプロ野球界の「主役」として注目されるのは間違いない。(牧忠則)