一方の投手は山井大介(中日)、松坂大輔(西武)、中田賢一(阪神)などが既に引退を表明しているが、まだまだ存在感を示しているアラフォー選手は少なくない。その代表格は何といっても石川雅規(ヤクルト)だ。昨年はキャリアワーストとなる2勝8敗という成績に終わったが、今年は見事に復活。ここまで13試合に先発して4勝3敗ながら、防御率は2.13という見事な数字を残している。投手陣の苦しいチームにとってはまだまだ戦力として必要な選手であることは間違いない。本人も目標と話している通算200勝まではあと23勝となっているが、今年の状態を維持することができれば実現の可能性も十分にありそうだ。

 石川と同じ学年で、今年から新天地に活躍の場を求めた能見篤史(オリックス)も現役続行が濃厚だ。ストレートは度々145キロ以上をマークし、ボールの勢いは健在。一時は抑えも任されるなど、ここまで25試合に登板して2セーブ、5ホールド、防御率3.38という成績を残している。コーチも兼任しているが、若い投手陣が多いチームにとってその経験は貴重であり、来年もブルペンを支える存在として期待がかかる。松坂の引退でとうとう最後の“松坂世代”の現役選手となった和田毅(ソフトバンク)も防御率こそ4点台ながら、ここまで5勝をマークしている。数字以上に速く見えるストレートは今でも大きな武器となっており、投球スタイルからも衰えは感じられない。毎年のように有望な若手選手が出てくるチームにあって、ローテーションを守り続けているのは見事である。

 そんな中で去就が微妙なのが今年で39歳となった内海哲也(西武)だ。6月に2試合に先発して1勝をマークしたものの、安定感には欠ける内容でその後は二軍暮らしが続いている。チームは慢性的なサウスポー不足で、若手も育っていない現状を考えるとまだチャンスはありそうだが、ドラフトで順調にサウスポーを指名できた場合には今年限りとなる可能性が高そうだ。

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戦力外でも現役続行を目指す選手