西武の内海哲也(左)とロッテの鳥谷敬 (c)朝日新聞社
西武の内海哲也(左)とロッテの鳥谷敬 (c)朝日新聞社

 今年は例年よりも約2週間早い10月11日にドラフト会議が行われることが影響し、10月4日から来季の契約を更新しない、いわゆる“戦力外通告”が各球団でスタートした。またこのタイミングに合わせて引退を発表する選手のニュースも増えている。特に実績のある選手の動向には注目が集まるが、40歳前後の大ベテランたちで来シーズンも生き残る選手はどのくらいいるのか。今年の成績を見ながら展望してみたいと思う。

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 投手、野手含めて最年長となるのが今年44歳の福留孝介(中日)だが、来季も現役続行が濃厚だ。打率こそ2割台前半だが、ここまで89試合(以下、成績は全て10月8日終了時点)に出場して昨年を大きく上回る42安打、4本塁打をマーク。歴史的貧打に苦しむチーム状況ということもあるが、クリーンアップでスタメン出場する機会も多く、勝負強い打撃は健在だ。野球に取り組む姿勢などプレー以外の面での貢献も高く評価されている。来季も切り札的存在として期待されるだろう。

 野手で福留に次ぐ年齢の選手は、1981年度生まれの鶴岡慎也(日本ハム)、藤井淳志(中日)、鳥谷敬(ロッテ)、糸井嘉男(阪神)、高谷裕亮(ソフトバンク)、青木宣親(ヤクルト)の6人。先日、藤井が今季限りでの引退を発表したが、苦しい立場に立たされているのが鳥谷だ。移籍2シーズン目の今年はエチェバリアの来日が遅れたこともあって開幕直後はショートでのスタメン出場も多かったが、打率は1割台と苦しみ徐々に出場する機会も減少。7月6日に登録抹消され、二軍でも打率が.180と結果を残せない日々が続いている。成績面だけで考えれば今年限りという判断になる可能性も高いだろう。残した数字だけを見ると鶴岡、高谷の捕手2人も微妙な立場となるが、日本ハムは捕手全体の層が薄く、ソフトバンクは甲斐に続く若手捕手の目立った台頭が見られないだけに、経験を買われて来季もプレーする可能性が高そうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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