エンゼルスの大谷翔平(GettyImages)
エンゼルスの大谷翔平(GettyImages)

 現地時間9月21日、エンゼルスの大谷翔平は、本拠地で行われたアストロズ戦に「2番・指名打者」として出場し、8回裏の第4打席に9月10日以来となる第45号ホームランを放ち、本塁打王争いは激しさをさらに増してきた。

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 日現在、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)と、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)が、46本でリーグトップタイ。エンゼルスの大谷翔平は45本で単独3位であるものの、首位とは僅か1本差に迫っている。

 後半戦が始まった直後は、「本塁打王レースは大谷とゲレーロJr.が激しく争うことになるだろう」と、現地メディアは予想をしていたが、大谷、ゲレーロJr.、そして、ペレスによる三つどもえの状況は、現地でも予想外の出来事であった。

 8月末ごろから本数を伸ばし、ランキングにも急浮上したペレスは後半戦だけで25本の本塁打を放ち、その量産ペースは大谷(後半戦12本)やゲレーロJr.(同18本)をはるかに超えていた。思わぬ伏兵の登場により、今では本塁打王の行方が分からなくなり、その面白さはさらに増してきている。

 それにしてもペレスとは一体何者なのか。今季のメジャーリーグを追うものであれば、よく知っている名前かもしれないが、本塁打数でついに大谷を超えたペレスについて改めて紹介していきたい。

 ペレスは今年で31歳を迎えるベネズエラ出身の捕手である。2011年からロイヤルズ一筋でプレーし、青木宣親(現東京ヤクルト・スワローズ)も、2014年にチームメートとしてペレスと共にシーズンを過ごしている。

 捕手としては球界屈指の存在で、過去にはゴールドグラブ賞に5度輝き、ワールドシリーズMVPも受賞している。オールスターゲームには7度も選出されており、今年のオールスターゲームで投手として登板した大谷の女房役だったといえば、思い出す方も多いのではないだろうか。

 また今年はオールスターゲーム前日のホームランダービーにも出場しており、そこで彼を観た人も多いかもしれない。初戦敗退ではあったが28本という数字を残し、強打者のイメージを持った人もいるかもしれないが、これまでのペレスのキャリアハイはシーズン27本だった。

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