受けて立つ菅首相にとって一番の脅威は、河野氏だ。今回は国会議員だけではなく、自民党の党員投票も含めたフルスペックの総裁選となるだけに、国民的人気が高い河野氏が有利という見立てもある。

「若い河野氏となれば、菅首相に引導を渡すことになる。菅再選の流れはゼロでしょう。菅首相は総裁選に出馬しても、2位にもなれずに惨敗というみじめな結果になりかねません。また河野氏が首相となれば、二階氏も幹事長は交代となるでしょうから二階氏の反撃もあるでしょう。そこまで河野氏が踏み切れるかですね」(自民党幹部)

 自民党で20年以上、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信さんはこう語る。

「解散総選挙がすぐそこ。支持率が落ち込む菅首相では厳しい。自民党は候補者を3、4人を立てて賑やかに総裁選をやり、党勢回復を狙っている。カギは河野氏の動向。出るか出ないかで、情勢が一変する。政治は一寸先が闇ですからね」

 自民党の総裁選の行方が注目される。
(AERAdot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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