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自民党の二階俊博幹事長、公明党の石井啓一幹事長ら両党幹部5人が8月17日に都内のホテルで行った“黙食会談”が永田町で波紋を広げている。官邸関係者がこう明かす。
「黙食会談では解散総選挙に向けた段取りのほか、横浜市長選(8月22日投開票)の情勢分析が行われた。横浜市長選は立憲の推す山中竹春候補が優勢で、自公の大半が推す小此木八郎前国家公安委員長が厳しい情勢となっている。菅首相はお膝元の横浜市長選で勝ち、自身の総裁任期(9月30日)が切れる前に解散総選挙に踏み切るという構想を描いていた。だが、小此木氏の苦戦とコロナ感染拡大で難しくなり、衆院選は当面先送りされ、総裁選が先行して行われる公算が高い。菅首相は横浜市長選の結果次第では、総裁選出馬すら怪しくなってきた」
問題の黙食会談に参加したのは、自民党からは二階俊博幹事長、森山裕国会対策委員長、林幹雄幹事長代理、公明党からは石井啓一幹事長、高木陽介国対委員長の計5人。
ランチをしながらの会談だったが、緊急事態宣言が延長となり、政府は新型コロナウイルス感染拡大の防止の観点から会食は4人以下と国民に自粛を求めていた最中。批判が殺到した。
「出席者が全員ワクチン接種の2回目を受けた」
「距離を置き、黙食をした」
下手な言い訳を繰り返したが、炎上は収まらず、森山国対委員長は「配慮が足らなかった」、公明党の高木国対委員長も「国民に誤ったメッセージとなり申し訳ありません」と謝罪に追い込まれた。
「二階幹事長は、コロナ禍前までは定番の夜の会合がゼロ。毎日、高級店の弁当などを自宅に持ち帰って食べている。なぜ、こんなタイミングで昼食に公明党を誘ったのか…」(二階派の国会議員)
「禁」を破ってまで与党幹部が会食を強行した裏側を前出の二階派議員はこう明かす。
「22日に投開票の横浜市長選の形勢を何とか挽回したいという思いからだった」
菅義偉首相の盟友、小此木氏は大苦戦し、世論調査や期日前投票の出口調査などで、立民や共産党が支援している山中氏にリードを許す展開が続いている。