一方で、最初からセンセーショナルな活躍をしたことで、サポーターの期待値が必要以上に高まってしまう懸念もある。だが、トム氏は冷静にみている。

「全ての試合が、ハットトリックの試合のように簡単ではないでしょう。これからは他チームの監督たちも彼への対策を練ってくるだろう。何度も足を削られるかもしれない。スコットランドは非常にフィジカル要素の強いリーグだから、彼を(ファウルやタックルなど)物理的に脅かしてくるだろう。中村はその対処法を学んでいったし、古橋も学ぶ必要がある」

 今後は、古橋の実力を問う試金石になりそうな試合が続く。まず、8月21日のUEFAヨーロッパリーグ3次予選であたるオランダの強豪AZアルクマール戦、そして8月28日に行われる国内リーグのレンジャーズ戦。特に後者は、今シーズン最初の2強対決“オールドファーム”であり、昨シーズンの悔しさを晴らす一戦となる。

 サポーターはそこで古橋の真の実力を見定めるだろうし、古橋自身も欧州トップレベルでも通用するかどうかの重要な試合となりそうだ。(大塚淳史)