セルティックに移籍した古橋亨梧(Getty Images)
セルティックに移籍した古橋亨梧(Getty Images)
ダンディー・ユナイテッド戦でハットトリックした翌日8月9日の地元紙紙面は、古橋が一面を飾った
ダンディー・ユナイテッド戦でハットトリックした翌日8月9日の地元紙紙面は、古橋が一面を飾った

 移籍からわずか1カ月で「チームの顔」になった。

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 7月にヴィッセル神戸からセルティックに移籍した日本代表FW・古橋亨梧(26)は、8月5日に行われたヨーロッパリーグ予選のヤブロネツ戦で移籍後初先発で初ゴール。8月8日のリーグ第2節のダンディー・ユナイテッド戦ではハットトリック(3ゴール)を達成し、鮮烈なホームデビューを飾った。15日のハーツ戦でも1ゴールを決め、チーム合流後1カ月で公式戦5試合5ゴールと大車輪の活躍をみせている。

 ハットトリックを達成した試合直後には、SNS上で「新しい王が誕生した!」「古橋に恋してしまった」と地元サポーターたちも大絶賛。また現地での古橋の振る舞いが、さらにサポーターの心をつかんだ。8日のダンディ戦の後半、途中交代でベンチに下がった際、古橋は周囲からの声援に対して頭を下げながら控えめに応えた。その態度に「謙虚」との声が上がり、多くのサポーターが古橋を褒めたたえたのだ。

 古橋のユニホーム名は「KYOGO」だが、現地では、ゴールを量産する古橋に「KYOGOAL」と文字った言葉が生み出されるなど、流行語になりそうな勢いだ。

 古橋のプレーは、クオリティーの高さが際立つ。15日のハーツ戦でゴールキーパーのニアサイドをぶち抜いて決めた左足でのゴール、ダンディー戦での3ゴールはいずれも簡単ではない。正確なキック、ゴール前での動き出し、速いクロスボールにワンタッチで合わせる技術、相手DFラインの裏への抜け出し……あらゆる局面で古橋の才能をいかんなく見せつけた。

 連日の活躍に、地元メディアも古橋を高く評価した。BBC SPORTS SCOTLANDでライターやコメンテーターを務めるトム・イングリッシュ氏は、古橋をこう絶賛する。

「セルティックは(今シーズン)自信がなかった。そんな時に古橋が加わってくれて、他の選手たちに大きな力を与えてくれた。彼は非常に賢く、速く、そしてよく働いてくれる。天性のフットボーラーだよ。さらに、刺激的な才能がある上に謙虚さも持ち合わせている。サポーター、ファンたちは興奮しているよ。中村俊輔(現横浜FC)はセルティックでとても愛されていたが、ファンたちは新しい中村を見つけたと喜んでいる」

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チームの雰囲気を一変させた